Je t'aime comme la tombe.

フランス革命萌え語り。あとは映画と野球?ハムファンです。

嗅覚のための迷路

清須市はるひ美術館でやっている「嗅覚のための迷路」展に行ってきた。

名古屋に来てから2年半以上経つが、これまで愛知県内の他の町を訪れたことがあまりなかった。(名古屋市内も知らないところがまだまだ沢山あるし、三重や岐阜、静岡もあまり行っていないが。)
きよすあしがるバスというコミュニティバスが出ていたので、JR枇杷島駅から乗車する。これは待ち時間に撮った駅前広場だが、私はこのように無機的に整備されているが人気のない空間がとても好きだ。

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バスに乗っていたので写真は撮れなかったが橋にも金属でできたオブジェがあり、そらもとても私の心に響いた。なお休日の昼間なのに(だから?)乗客は数えるほどしかおらず、ほとんど私1人と運転手のみの空間だった。

美術館に着いた。美術館は図書館と公園とともに、コンクリートで整備されていた。ここも私の好みに合致した。

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展示は3セクションに分かれていた。美術館自体がこじんまりとしていて、すべて回るのに20分もかからないだろう。
匂いのついたスリッパを履いて犬のようにその匂いを地面に着ける、あるいは辿るコーナーや桜の匂いの強弱を辿って(実際にあるわけではない)桜の木を探すような体験をする展示(写真)、薔薇の香りを構成する上位8つの匂いを分けて円状に巻かれた布に一つずつ染み込ませ、円筒の中心で組み合わさった薔薇の香りを感じる展示があった。

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館内にあまり人がいなかったこともあり、一通り回ったあと私は目を閉じて桜や薔薇のコーナーを彷徨った。特に薔薇の展示は花びらや花粉、茎の匂い(と私が感じただけで的外れかもしれないが)が分かれたものを嗅いだのは初めてだったし、円筒の中心に立った時に全てが合わさり薔薇の香りを感じた時の感動はひとしおだった。何故なのかはよくわからないが、分割された薔薇の匂いのうち懐かしさを思い起こされるようなものがあった。また全てが合わさった"薔薇の香り"自体も私にとっては気持ちが落ち着き、安らげるようなものだったと思う。帰りに(匂いの染み込みやすい紙でできていると説明を受けた)チケットに桜か薔薇の香りをつけられるように香水が受付に置いてあったが、わたしは薔薇の香りを存分に紙に振りかけた。
ちなみに香りアレルギーの人は遠慮してくれという注意書きがあったが、確かに香りは強いものの私にはとても心地よい香りだったので全く不快だとは感じなかった。香水や香りを放つものそれ自体が苦手でなければ支障なく鑑賞できるのではないだろうか。

美術館開館20周年ということでロビーには過去のポスターが展示されていたが、行かなかったのが悔やまれるほど興味深いテーマが多かった(私がまだこっちに来ていなかった頃の展示など当時は知る術も行く術もなかったのだが)この美術館には引き続き注目していきたい。美術館の建物自体もとても気に入った。

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余談だが(バスの時間が中途半端だったので)歩いた帰り道にネパールカレーの店を見つけた。チーズナンの写真がとても美味しそうだったのでいつか食べたい。