フランス革命
このブログでデタラメだ作り話だと何かにつけ批判しているジュール・ミシュレのLes Femmes de la Révolution (1854)(邦訳『革命の女たち』なおネットで公開されている。)だが、文学作品として面白いのは否定できない。 オランプ・ド・グージュのイメージ受…
ジョルジュ・ダントンの妻であるガブリエル・ダントン(旧姓シャルパンティエ)が有名になったのは、死後一週間後に遺体が墓から掘り起こされ、その時に取られたデスマスクをもとにした胸像が制作されたからである。おかげで彼女の人物像は誰も知らないのに…
革命家カミーユ・デムーランの妻で、自身もギロチンで刑死したリュシル・デムーラン(デュプレシ)の日記を読んだ。ダントンの最初の妻であるガブリエル・シャルパンティエに関する信頼できる一次資料は親しい友人だったリュシルの日記と手紙しか今のところ…
今年(2023年)3月にオークションにかけられた、革命家ダントンから妻ガブリエル・シャルパンティエ宛ての手紙を日本語訳した。同じオークションに出品されたロベスピエールが妻を亡くしたダントンに宛てた手紙はやたらと注目されたのに、亡くなったガブリエル…
有名な『おおきなかぶ』の作者でもあるロシア(ソ連)の作家アレクセイ・トルストイによる、ビューヒナー『ダントンの死』の翻案 (1919)。 存在はずっと知っていたが、戦前出版で図書館によっては貴重書扱いされているらしいので読むのは諦めかけていた。だ…
書こう書こうと思っているうちにもう革命記念日が到来してしまった。 先日(7月2日)、宝塚歌劇団『1789 バスティーユの恋人たち』のライブビューイングを観に行った。一瞬だけ宝塚大劇場に行ってみようかな?とはじめは考えたが、超人気だったらしいので断念…
今日はカミーユ・デムーランがパレ・ロワイヤルのカフェ・ド・フォワで「武器を取れ!」と演説した日である。 というわけで、今日はとにかく私にとってのベスト・カミーユである『怪傑ダントン』のオシップ・ルニッチについて語りたい。 映画のあらすじや感…
今回はロマン・ロランの戯曲『ダントン』の感想。 同じ題材でもビューヒナー『ダントンの死』やアンジェイ・ワイダ監督の映画『ダントン』(原作はスタニスワヴァ・プシビシェフツカの戯曲)の影に隠れている感の強い(そもそもロマン・ロラン自体最近の日本…
その誠実な連中ってのが我慢ならなかったんだ。ああいうそっくり返った謹厳居士たちを見てると、蹴っとばしてやらずにはいられなくなるんだ。僕の生まれつきの気性がこうなんだからな。(p. 136) 『ダントンの死』は個人的思い入れの強い作品なので、まずは思…
映像ソフトを購入したものの長らく見れていなかったアンジェイ・ワイダ監督の『ダントン』(1983) をやっと鑑賞できた。 反「英雄」的ダントン像 女性の声と抵抗 ウィークポイント 監督:アンジェイ・ワイダ 出演:ジェラール・ドパルデュー(ダントン)ヴォ…
大仕事が一段落したので約10年前に5巻までで止めていた長谷川哲也『ナポレオン獅子の時代』(と『覇道進撃』)をまた読もうと思って、とりあえず持ってる5巻までを読み直していた。フランス革命は5巻までで大体終わりかな?(現在7巻まで進みました。先は遠…
本を読んでこんなに笑ったのは久しぶりかもしれない。 『死せる花嫁への愛―死体と暮らしたある医師の真実』|感想・レビュー - 読書メーター ベン ハリスン『死せる花嫁への愛―死体と暮らしたある医師の真実』の感想・レビュー一覧です。ネタバレを含む感想…
後半の方は妄想になってしまいました。嫌な予感がする方は読まないでください。今回紹介するのはフランス革命を描いた1921年のサイレント映画、『怪傑ダントン』である。実はかなりフランス革命、特にこの裁判周りが好きなのだが、いったん熱が沈静化してい…