Je t'aime comme la tombe.

フランス革命萌え語り。あとは映画と野球?ハムファンです。

映画

2023年・私的ベスト映画5選

2023年は映画を見た一年だったので、印象に残った作品をまとめる。新作として映画館で見た映画に限った。また順位はつけたくなかったので、紹介順は順不同である。 私、オルガ・ヘプナロヴァー Pearl/パール テス (4Kリマスター版) 野球どアホウ未亡人 ロス…

『野球どアホウ未亡人』"野球"の快楽に堕ちてゆけ(ネタバレあり)

※大いにネタバレしています。 先日、刈谷日劇で『野球どアホウ未亡人』を観た。 youtu.be この映画を知ったきっかけはfilmarksの「近日公開映画一覧」だった。妙にインパクトのあるポスターとタイトルに目が釘付けになった。 なんてったって「野球」で「どア…

歴史には善人も悪人もいない『ロスト・キング 500年越しの運命』

映画の『ロスト・キング 500年越しの運命』を見た。 歴史好き、特に ・毀誉褒貶が激しい人物が好き/興味がある ・史料が少なく、どんな人だったのかよくわからない人物が好き/興味がある ・歴史創作好き におすすめしたい。 この世にはいい人も悪い人もいな…

笑いながら暗闇を駆ける― 極私的断章『私、オルガ・ヘプナロヴァー』

サイコパスでも、私には見識がある。 どうして自分の身に起こることが何もかもうまく行かないという理由で、周りを傷つけてはいけないのか。 いつか嘲笑と私の涙を償わせる。 二人で一つになれることはそんなに高等か。なれない人間は出来損ないか。なのにど…

オシップ・ルニッチのカミーユ・デムーランについて語りたい。

今日はカミーユ・デムーランがパレ・ロワイヤルのカフェ・ド・フォワで「武器を取れ!」と演説した日である。 というわけで、今日はとにかく私にとってのベスト・カミーユである『怪傑ダントン』のオシップ・ルニッチについて語りたい。 映画のあらすじや感…

名古屋シネマテークの閉館に寄せて

名古屋・今池にあるミニシアター「名古屋シネマテーク」が閉館するという。私はこのニュースが報道された日に、知らないままこの映画館に行ったので余計衝撃を受けた。いやテレビ局のカメラが入ってゆくのは見たのだが、「新作映画の監督でも来たのかな」と…

虚無の「英雄」と女性の声 - 『ダントン』(1983)

映像ソフトを購入したものの長らく見れていなかったアンジェイ・ワイダ監督の『ダントン』(1983) をやっと鑑賞できた。 反「英雄」的ダントン像 女性の声と抵抗 ウィークポイント 監督:アンジェイ・ワイダ 出演:ジェラール・ドパルデュー(ダントン)ヴォ…

ロックンロール・ハイスクール(1979)-音楽の歓びとユートピア

※ネタバレ注意!!初めて見た時、人生最高の映画だと思った。再び見ても、やはり人生最高の映画だ。 Rock 'n' Roll High School (ロックンロール・ハイスクール) 監督:アラン・アーカッシュ製作総指揮:ロジャー・コーマン出演:P・J・ソールズ(リフ)デ…

怪傑ダントン(1921) - 神様あの子を奪わないで

後半の方は妄想になってしまいました。嫌な予感がする方は読まないでください。今回紹介するのはフランス革命を描いた1921年のサイレント映画、『怪傑ダントン』である。実はかなりフランス革命、特にこの裁判周りが好きなのだが、いったん熱が沈静化してい…

2021年/砂の時代

2021年もそれなりに映画は観たが、映画館ではやたらと砂を見た気がする。数えてみると砂が印象的な映画は3つあった。占いでは「水の時代」に入ったそうだが、私にとって2021年は「砂の時代」だったのか?※ネタバレ注意。またホドロフスキー以外は全て映画館…

Et mourir de plaisir

ゴス好きなのに、吸血鬼にはあまり惹かれない。確かに幼い頃「子どものための世界文学全集」で一番好きだった話はカーミラだったが、成長するにつれ次第に吸血鬼から心が離れていった。おそらく「耽美、貴族、フリルひらひら」イメージが鼻についたのだ。次…